賃金未払いの労働問題にはいろいろな相談があります。
労働者が会社に損害を与えた為賃金を支払ってくれない。
勝手に突然退職した為に賃金を支払ってくれない。
残業代を支払ってくれない等々・・・
賃金未払いの問題は非常に多いです。
先日、残業代は一応支払うが、毎日端数をカットすると言った相談を受けました。
よって、今回は賃金を計算する上で端数処理について整理したいと思います。
割増賃金算定する場合は、必ずといって良いほど計算上賃金額に端数が生じます。割増賃金は、法定労働時間を越えた時間外労働や深夜労働について少なくとも2割5分増、休日労働については3割5分増の金額を支払う必要があります。(労働基準法37条)
これらを計算する場合、通常の賃金の1時間当たりの賃金額と割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合の処理はどうなるのでしょうか?
賃金に端数が生じた場合
・50銭未満の端数→切捨て
・50銭以上の端数→1円に切り上げ
となります。
・また、1賃金支払期間における割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合も、同様に処理することで差し支えないものとされています。
・更に1賃金支払期間における割増賃金の算定基礎となる合計時間に1時間未満の端数がある場合は、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げることも法違反として取り扱わないことになっています。
(※S.63.3.14基発第150号)
つまり、賃金の端数を切り捨てるなら上記のルールに則って行う必要があるのです。
◇例えば、月給30万(家族手当・通勤手当等諸手当無)の給与で時間外労働をした場合
まず1年の総労働時間を12ヵ月で割り、1ヵ月当たりの平均所定労働時間を計算します。そして月給の30万円をこの1月の平均所定労働時間で割って、1時間当たりの賃金額を算出します。
算定された1時間当たりの賃金額に1円未満の端数が生じた場合に、上述のように端数処理をします。
またその賃金額に割増率をかけて算出した割増賃金に端数が生じた場合も同様の端数処理をします。
そして、時間外労働時間についてその時間を毎日集計し、1ヵ月の時間外労働時間を集計した後に、30分未満の端数があれば切捨て、30分以上の端数があれば1時間に切り上げすることは認められているので、この範囲で端数処理を行うのであれば問題ありません。
つまり上記の計算で算出された賃金の時間当たりの単価に、残業時間をかけて更に割増賃金を1.25若しくは1.35をかけて残業代を算定するのです。
給与の計算というのは企業ごとに様々の方法でなされております。
時間外労働(サービス残業)などの問題は人事労務管理上もとても重要であり時間外割増賃金の未払いの労働問題はとても多いので、この機会に一度ご自身の給与や残業手当がどのように計算されているのか確認してみるのも面白いと思います。